chocolate melts with music

行ったライブメモ

Liveでもやりま候

町田先生が東京に出てきてくれないので熱海まで観に行っちゃいましたよ。

まず昼は、熱海梅園で行われているもみじまつりジャズコンサートにて、町田康朗読ライブでした。11:30〜と13:00〜と2回あったのですが、13時の回のみ見ました(10時から1月の純ちゃんのチケット取りがあったからさー)。梅園の中央広場に設けられた小さなステージ、その前にはオープンカフェ(と称する売店w)のテーブルと椅子がいくつか並び。座って時間を待っていると、すんごくふつーに現れてふつーにステージに上がっていく康さん*1。ベースの瀬戸さんと二人。特に司会的な人もおらず、何の説明もなくそのまま始まる。「土間の四十八滝」からのポエトリーリーディング。後で言っていたことには、この日の11:30の回から、最初から順番に読んでいって、夜のライブでも最初に15分くらいポエトリーリーディングをやって、そして12月7日にまたこのステージに立つのでその日のライブとで、全部読み終わるんじゃないかとのこと。なんかもう少し早めのペースのようにも見えたけど(文庫本のページに付けた付箋をとりながら読んでいっていた)。来週のステージではバンドも出るとのことなので、こんなにずっと朗読じゃないのかな。

土間の四十八滝 (ハルキ文庫)

土間の四十八滝 (ハルキ文庫)

本は未読です。独特の言葉のリズム。本人の声で読まれることでさらに際立つ。断片のようで、連続しているようでもあって、面白かった。でもなんか、会場の雰囲気的に微妙っていうか…。爽やかな秋晴れのオープンエア、美しく色づく自然の中・・・っていう場所に、全然似合わないね(笑)広さに対してお客さんもまばらだったので、ちょっと不思議な感じでした。
30分ほどでステージは終了。挨拶の後、下りてきて、これまたふつーに近くの席に座る康さん。きゃー。なんか緊張するwファンの方々にサインや写真撮影をお願いされてましたね。

その後は、夜のライブまでの時間、梅園の紅葉を楽しみ、さらに熱海の市街を散策したり。夜のライブ会場であるCafe Lydianの前を通ったら絶賛リハ中で、前の交差点にあるバス停に音丸聞こえでしたw

ライブは18時半から。普段はカフェ営業をしているお店ですが、今日のライブでは小さなスツールの椅子席になってました。通りに面したほうが大きく窓になっていて、普段は音を出す作りじゃないんだなぁと。

町田康
P大古富士子 G野田博 B瀬戸尚之 D米窪絵美

昼に予告のあったとおり、冒頭に15分ほどポエトリーリーディングの続き。ベースの瀬戸さんとピアノの大古さんも加わってバックに音響。昼よりも狭い会場にお客さんが多かったし、ときどき笑いも起こったり、雰囲気は昼間よりも良かった気がする。集中しやすかった。ベランダから隣の奥さんが走り回って、鶴がいて、旦那さんが長刀持ってて、っていうやつがすごく印象的。
いったん休憩してからライブ本編。
町田康ライブを見るのは2006年以来。LOFTが最後かな。当時のバンドでその後CDをひっそりと出していて*2、でもその後ライブがなく、熱海にひっこんじゃって…。熱海でまた新しいバンドを始めているのは知りながら、どういう感じか分からないしなかなか見に行けないなぁと思っていたんですが、ついに見に来ちゃいましたわけです。
で、リハの前を通りかかったときに漏れ聞こえたのが聞き覚えのある曲だったからもしやと思ってたら、本当にほとんど知ってる曲だったー。その最後に出たアルバム「犬とチャーハンのすきま」の曲を中心に、昔の曲も加えたセットリストでした。アンコールの最後だけ分からなかったけど、たぶんこんな。

  1. 野菜食ってゴーゴー
  • 頭が腐る
  • なんで?
  • うどんのなかの世界
  • ひとり盆踊り
  • タニシ
  • 道端のおっさん
  • I am full.
  • あなたにあえてよかった
  • 305
  • 六尺八寸様
  • 私たちは一匹のロックンロールです(新曲)
  • (en)饂飩出汁
  • (en)?

最初に野菜食ってゴーゴー(町田康グループ)懐かしい!次の頭が腐る(町田康グループと町田康名義で出てる)はまた少しアレンジが違ってる。でもバンドは変わっても、歌は変わってなかった。CDで聴き馴染んでるあのまんまだ。最近は作家活動のほうが比重が高くて、音楽活動ではある程度ブランクもあると思うのだけど、声、歌唱では衰えを感じるようなところはなく。違うのは目の印象かなぁ…以前はもっとこっち(客席)見て歌ってた気がするけど、ほぼずっと歌詞カードを持って見ながら歌ってたし、歌詞見てないときはやや絞り出すように目を閉じて歌っていることが多かったような。なのであのすごい目力で見られてる!という感じは少なかった気がする。でも歌には迫力があって、良かったです。あとときどきすごく楽しそうな顔も見られて。それも変わってなくて良かった。こっちまでにやにやしてしまう。
CDが出る前にライブでやっていた曲も多いけど、CDでしか聞いたことなかった(たぶん)道端のおっさんが、ライブで聴ける碑があると思ってなかったので、あって良かったですw楽しいw その前の小曲「タニシ」も面白かった(これは新曲?未収録曲?)。INUの曲は、以前はフェイドアウトか気い狂てをよくやっていたけど、今回305が意外で、でも今のバンドの雰囲気にも合っていて良かったです。こう並べて聞くと、昔の曲とそんなに違うわけじゃないんだなという気もする。
バンドは、まだライブが3回目?名前がやっと決まって、「汝、我が民に非ず」だそうで(昼のステージで「英語で言うと、You are not my people」って言ってたのが面白かった)。しばらくCDでしか聴いてなかった曲を、新しい違うバンドで聴くから、違和感はあったんだけど。バンドとしてこれから熟練していくところもあるんだろうなと思うし、また音の良い環境でもなかったし。女性メンバーはけっこう若いなぁと思って、男性のほうはわからないけどまぁ御大よりは若いわけで。先生って呼ばれてましたね。「先生が全部決めますから」みたいな感じで。なんていうか、楽しんで自由にやってます、という雰囲気が見て取れました、町田先生にとって。たぶん、音楽はもう勝負するフィールドとかじゃなくて、でも必要な表現活動として好きなようにやっていくというふうな。まぁそれもそれでいいんでしょう、というか、まぁそういうことだろうとは思っていたわけで。またライブハウスで見たいなぁというふうにも、思わなくはないけれども、ね…。
ともあれ、お元気な姿を見に行けて良かったです。楽しかった!

*1:服装はだいぶ変わってましたけど。黒と紫のチェックのジャンパーみたいのだけど、胴回りは身体にぴったりしてて…。おしゃれだけど、ちょっと珍妙?とか思ってしまった。行きがけに『テースト・オブ・苦虫1』の「反省の色って何色ですか?」を読んでたものだからなおさらw

*2:

犬とチャーハンのすきま

犬とチャーハンのすきま

って、アマゾンで買えるじゃん!とちょっと驚いた。なんかサイトから直で買った覚えが。