chocolate melts with music

行ったライブメモ

水谷紹(vo. g)、whacho(ds. cho)、かわいしのぶ(cho. b)
ゲスト:戸川純(vo)

2004年以来、9年ぶり?のtricomi featuring 戸川純のライブであります。トリコミの結成10周年を記念して。「全員でライブが出来て良かった、戸川さんにもゲストに来てもらって」と水谷さん*1
2004年当時、私はトリコミFeat.戸川純のライブに全3回行っていて。この年って、戸川純BANDもやってるしヤプーズもやってるし東口トルエンズもやってるしで、すごく活動的な年だったんですね。その中でも私はわりとトリコミが好きで。たぶん、他のユニットと違っていわゆる“戸川純の曲”をやるわけじゃないからこその新鮮さがあって、それが面白かったんでしょう。ライブの印象もわりとはっきり残っていて、まぁこれはライブ盤CD*2が残っているからでもありましょうが。だけど、あくまでも戸川純を見に行ってたんですね、私は。だからそれ以降トリコミ単体のライブには行っていなくて。今、やっと、トリコミでやっている曲の多くは、水谷さんがトリコミ以前から歌っている曲だ、ということを理解したところです(汗)。水谷さんとファンの方には大変失礼しました。
ともあれ、トリコミ単体のライブもしばらくなかったようで、久しぶりのライブとのことで楽しみに参りました。2004年の頃は、水谷さんと純ちゃんとでボーカル曲が半々くらいでやっていましたが、今回は戸川さんは本当にゲストという形で数曲のみ。むしろ水谷さんのボーカルの魅力がたっぷりでした。昔のトリコミでもやっていた曲、去年水谷さんの20周年ライブなどで聴いたような覚えがある曲もあり。初めて聴いた曲もあり。タイトルは分からないものが多かったのですが、終演後にセットリストの写真を撮ってしまいました。そして今は、その歌詞が気になり、水谷さんのCD欲しいなぁと思っているところ。特に気になっているのは、最初の「大変だ、ヴィオレッタ!」と「オープン⇆クローズド」かな。歌詞の独特な世界観と女言葉(ばかりではないが多い)、甘いボーカルで紡ぎ出される不思議な世界。
前半の中盤で、トリコミのシングル『彼が殴るの』にカップリングされている殺し屋の娘とクーラー。クーラーは、20周年ライブで水谷さんボーカルを聴いて、おお!と思って、でも今日は純ちゃんボーカルが聴けるかなとも思ってたんだけど、今日も水谷さんでした。歌詞(台詞)もきっちり全部言ってた、というか、一部改変。「年は…30歳くらい、いえ40歳でいいわ、10年経ったし…10年間立てこもってるの?」(笑)。あとタバコも吸っていい、などの妥協が。最後の方で、「トゥ−トゥー…電話だ」とステージに置いてあった電話機(ダイアル式)をとって、「え?この曲はやっぱり戸川さんのほうが良かったって?」という小芝居も面白かった。電話機、昔のステージにもあったよね、懐かしい。なんか水谷さんが歌う(というか台詞だけど)と、淡々としてて、この立て籠もり犯の人物像が違って見えてくる…。これはこれですごく面白いのです。
その後に純ちゃんが登場して、ステージ中央の椅子に。「お久しぶりです」と水谷さんに。純ちゃんの衣装は黒のゴスロリドレスでした。髪はストレートで、白いレースの飾りをしていて、かわいかった。「トリコミFeat.戸川純といえばこの曲」と「彼が殴るの」を。純ちゃんノリノリですごく良かった。水谷さんとは対照的な、感情たっぷり、表情豊かで、生々しい歌声。
このときは一曲だけで純ちゃん退場。「休憩してもらって、後でまた歌ってもらいます」と。
そして「結婚なんかしない」。この曲けっこう好きだったりして、ノリもいいし楽しかった。ここでいったん休憩。

第二部は、デヴィッド・ボウイの「ロックンロールの自殺者」から、水谷さんの日本語詞で。これは昔もやってて、「ロックンロールは女なの」という歌詞がすごく印象的だった曲。かっこいい。
その後2曲は初めて聴いた曲かな。たぶん「くそったれ少女時代」のほうだったかな?で、間奏部分でドラムのホアチョさんがふと語り出して…最近の障害物を検知して自動で止まる車だと、ラブホの駐車場の入り口にあるゴムカーテンで止まっちゃう、という話を(笑)その語り口がまた、なんというか朴訥とした感じなのが可笑しくて。続いてベースのかわいさんも何か小話をするところだったみたいなのですが、「…パス1」(笑)「たまにはどうですかリーダー」と水谷さんに振ったけど、水谷さんはちょっと黙って、そのままふっと歌に戻っちゃった。ホアチョさんとかわいさんも笑いながら曲に戻る。なんかその雰囲気も良かった。その次の曲では、「かわいしのぶ オン ボーカル」と紹介していて、水谷さんと二人で歌っていましたね。
その後には、ジョンとポールの曲…どちらも日本語詞、というより替え歌って言った方がいいよね?っていう面白い歌詞で。「馬で負けたら 次は船で遊ぼう」って(笑)「アイスメル」のほうは20周年ライブでも聴きました。歌う前に「戸川さんに『歌い方が英語っぽくならないのがいい』と言われたのですが、次の曲は自分としてはミル姉さんの感じで歌うと効果的で…それをかわいしのぶに言わせると『井上陽水っぽくなる』と」みたいな話をしていて、ミル姉さんって(笑)まさか水谷さんの口からミル姉さんと聞こうとは思わなかった。そしてその後の「アイスメル」の歌い方が本当にミル姉さんっぽくて可笑しかった。終わったときにホアチョさんが一言「くっだらねー」(笑)
次の曲もあやうくミル姉さん効果で行くところでしたが(笑)やめて、「ものしり娘」。トリコミのCDには純ちゃんボーカル版が収録されていて、それがすごく好きでもあるので、純ちゃん歌うかなとも思ってはいたのですが、これもトリコミ以前からの水谷さんの歌なのですよね。で、当たり前かもしれないけど、水谷さんが歌うのがすごく良くて。でもCDのサックスが入るところも素敵だから、それもいいんだよなぁなどとも思ったりして。今日はサックスは聴けなかった。
ここで再び純ちゃんの登場。今度はホアチョさんが「戸川ちゃーん」と呼び込み。純ちゃん、水谷さんに「女言葉が多いのは、どうしてですか?女心がわかるんですか?」と。水谷さん「…女心は、想像しています」。
純ちゃんのボーカルで、コールドターキーの日本語詞。「こんなに恥ずかしいポーズよ〜」ってやつ、これも昔やってたなと。こちらはかっこいいけど、けっこうすごい、挑戦的な歌詞で…気になります。<イギリス人はインドで アメリカ人はアラブで 日本人はアジアで>…。純ちゃん、いつもより低いキーでドスの効いた歌が良かった。
続いては「私始まりなんですけど…キーが…」。すると水谷さんが「じゃあちょっと僕が歌いますから…」と言って、何故か瀬戸の花嫁を歌い始めて…その流れで「きーーーずついーーちゃったーのーーーー」と始まる(笑)これも低めで、激しく感情を載せた歌がすごくて、最後のあえぐような声とか。ここまで出し切る感じって、純ちゃんの他の歌でもあまりないかな…?あと、水谷さんの詞を歌うときは、自分の詞を歌っている時とは何か少し違うような気もします、演技的な要素が少し多いというか…。純ちゃんが歌っている間ずっと後ろから優しく見守っているようだったホアチョさんが、このときも最後の一声までじっと見つめていたのが印象的です。
もう一曲は、今度は高い声で。歌い出す前に発声練習をする純ちゃん(笑)。ジョン・レノンの「ラブ」を日本語詞で。序盤はバンドの演奏がなく、ホアチョさんとかわいさんがいろいろなおもちゃなどを鳴らしていました。大きなガラガラをゆっくり掲げて鳴らしているかわいさんが素敵でした。そのいろんな鳴り物と、純ちゃんの子供っぽいほうの歌声が絶妙の組み合わせです。

アンコール、まずはトリコミの三人で。水谷さん「10周年ライブが出来て良かったです。また10年後に…。世界が変わってないと良いですね、良い方にだけ変わっていくといいですね」と。そして歌い出したのは、ビートルズのアクロスザユニヴァース。これは英語のままで。そしたらそれが、いきなりすっごい男っぽくってびっくりした!曲のアレンジとかもあるけど、日本語で歌っていたときは女言葉のものも多かったし、それだけじゃなく何かふわっとした感じの歌い方だったのに、この英語詞だけほんとに急に男っぽくて熱くて、格好良かった、やばかった。純ちゃんが歌ってるときのギターとかもすごく格好良かったけど、なんかここは本当にやられた…
そして最後にもう一度純ちゃんを迎えて、二回目の「彼が殴るの」で締め!ノリノリが増してて楽しかった!
純ちゃん「10年ごと言わず、またやってくださいよ、また呼んでくださいよ」って言ってました。是非またやって欲しい!

セットリスト(★は戸川純ボーカル)

  1. 大変だ、ヴィオレッタ!
  • 少年船長
  • 固い握り
  • オープン⇆クローズド
  • それは何故だス
  • 殺し屋の娘
  • クーラー
  • 彼が殴るの★
  • 結婚なんかしない
    (休憩)
  • ロックンロール自殺(日本語詞・水谷)
  • くそったれ少女時代
  • ノーモー
  • アイスメル
  • ものしり娘
  • コールドターキー★(日本語詞・水谷)
  • 傷ついちゃったので★
  • ラブ★(日本語詞・水谷)
  • (en)アクロスザユニヴァース
  • (en)彼が殴るの★


このセットリスト、曲名の横にキーが書いてあって、純ちゃんが歌う曲はいつもと違うキーということで「Jun Key」と書かれているのですが、それを見た純ちゃんが「ジャンキー?」って(笑)「私のことなんだと思ってるのかと」って話が可笑しすぎました。


あと最後になっちゃったけど追記で(笑)水谷さんのシャツ、白とグレーの細いストライプの、襟と袖に黒いフリル!が気になって仕方なかったです。形としてはごく普通のカジュアルなメンズシャツなのに、何を目指してのフリルなの…。ギター弾くにもうざったそうだし、ギター掛け替えるときストラップにひっかかって片襟立っちゃうし。どうやらデビュー20周年ライブでも同じシャツを衣装としていた模様。まぁ、十年前のライブではロングスカートとか帽子に花とかだったし、嗜好としてはわかるのですが、いやそれよりそのシャツ自体がどうしてそうなったのかと…(笑)

*1:一人足りないようなことを言いかけたのは、あれホッピー神山さんのことだったのかな?と昔の日記を読み返して気づきました。

*2:Good girls get fed,Bad girls get eaten.