chocolate melts with music

行ったライブメモ

『陋劣の残滓を啜り聖を排出する正義という呪縛。狂躁する資本主義の末期衝動。罪は通奏低音の如く聖に平衡し、赫奕たる旋律を奏でる。』

つけた人であるはずの松田さんも割愛するほどの長すぎるツアータイトル(笑)一生懸命覚えたというヒロさんが「ろうれつのざんしをすすり…〜〜〜…を、奏でる」って略してました。「陋劣の残滓を啜り、までは覚えたんですよ。でもそこからもう無理。読めない漢字とかあるし」ね。過去のツアタイと比べると特別長いわけではないが、特別難解ではあるような。
そんなte’の、アルバムゆえに、密度の幻想は綻び、蹌踉めく世界は明日を『忘却』す。のリリースツアー、ファイナルの東京、ワンマンライブです。東京でのワンマンは久しぶり、との言葉あり。確かに、今年は対バンばかりだったかな。時間としては2時間弱だったかな、でもたっぷり濃密にte’を堪能できました。
新譜は、ベースが松田さんに変わってから最初のアルバムで、歌詞の代わりにCDに入っていたインタビューでも「全曲シングルのつもりで作った」とのことが語られていました。それだけに、この曲をいっぱいライブで聴きたいなぁ!と思いながら聴いていたのですが、期待通り新譜からたくさん、ほぼ全曲やったんじゃないかと思うくらいにやってくれました。いや、セトリ覚えるとか全く無理だけど。でも、たぶんアルバムの最後の11曲目の短いやつを除いて、あとはみんなやったのかなぁ。それに加えてライブ定番の昔の曲を間に散りばめる感じで。
本編のラストが「私は川の窪み。流れは過ぎゆけど保たれる波紋。『動的』な秩序。」だったのは分かる。私、この曲好きで。たぶんタイトルの言葉のおもしろさとそのイメージのわかりやすさのためもあると思うんだけど、曲とタイトルを一致させやすかったので。でもこれがラスト、それも定番の「四つ打ち」の後だったかな、うわーっと盛り上がった後にくるのはちょっと意外だったのです。だけど、聴いたらこれがすごく良かった。曲のイメージとして私が持っているのは、最初は穏やかな小川の流れがあって、それが曲の展開するところでタイトルにある「窪み」にぐっと水流が引き込まれるイメージ、そしてそこから流れが速くなって川底にも岩があったり曲がりくねったりする渓流になって、最後にもう一度ギターの歌メロが戻ってくるところでは川がずっと大きな流れになっている、みたいな感じのもので。それがライブで聴いたらCDよりも一つ一つのイメージがずっと鮮烈というか、窪みも流速ももっとずっと深くて速くて、最後は光溢れる大河みたいで、なんだか感動的だった。ああなるほど、これがラストなのか、と思った。
やっぱりライブはすごいな、と。te’はライブバンドだな、と。
あと、今年見る回数が増えてるからでもあろうけど、私今のte’がどんどん好きになってる、本気になってきてる感じがあるなぁと思う。そしてたぶんそれに、松田さんのベースの存在は大きい。前から格好良かったはずとは思うんだけど、今の良さはその変わったところからきているのが大きいのかなと思う…。
位置的には、ヒロさんの前くらいの中程から見てたので、隙間からだけど、ヒロさんの手元が見えるときもあって、社長もけっこう見えて、今日は特にギターを堪能した感じでした。フロントのヒロさんのギターが、より歌う曲が増えてますよね。手元まで見えるとやっぱり良いなぁ。

あとはMCで覚えていることなど。

  • ヒロさん「今日なんかお客さんすごいあたたかくないですか、どうしたんですか」みたいなことw
  • 社長、「しゃべります?」と振られて「しゃべるよ!」と言ったらそれだけで盛り上がるお客さんに「それだけで盛り上がっちゃうのすごいねぇ」。「ヒロがなんかすごくいい人みたいに見えてて、なんとかして悪い方に落とそうとしてるんだけど」「ほんとはお客さんは敵だと思ってるから」「あれ、なんか俺が悪い奴みたいになってる?」
  • ヒロさん、何かの話、アルバムデザインの話とかしたときかなぁ、お客さんの反応が悪いというか微妙な空気になって、「あれ?何この感じ?俺、空気読めてない?…さてはおまえら、やっぱり敵だな!…だったら…かかってこい!」って曲に行った(笑)かわいい。
  • 河野社長、エヴァを見た、と。「初めて見たんだけど、あれは何が面白いの?どう楽しめばいいの?誰か教えてください」ヒロさん「エヴァファンはそういうの言わないんですよ」「俺、好きなんだけどまだ見てないから、ネタバレしないでね!」松田さんも大好きと判明。社長「なんだ、言ってよ!」
  • それが前振りだったのか、アンコールで出てきたら社長が綾波Tシャツ着てた!(笑)
  • トオルさん、アンコールでしゃべるのにマイクがなくて、ドラムの上の高いところにあるマイクに伸び上がってしゃべっていた(笑)一言「今日は本当にありがとうございます」「え、それだけ?」
  • アンコールラストに、『参弐零参壱壱壱弐伍壱九参壱伍九伍弐壱七伍伍伍四壱四壱六四』、乱入されないでちゃんと演奏しているのを見るのは久しぶりな気がする!(笑)いや、ほんとはそこまででもないはずだけど。

ゆえに、密度の幻想は綻び、蹌踉めく世界は明日を『忘却』す。

ゆえに、密度の幻想は綻び、蹌踉めく世界は明日を『忘却』す。