chocolate melts with music

行ったライブメモ

戸川純&福原まり

ピアノ/キーボードの福原まりさんとのデュオ名義。全曲ボーカルは純ちゃん。
結論から言うと、すごく良かった。充実の内容。たくさんやってくれて、定番もレア曲もちょっと久しぶりのもあり、ピアノアレンジもバンドも良く、何より純ちゃんが元気でやる気で、声が良く出ていて、MCも長すぎず、進行順調、時間押さず!すごい。素晴らしい。

セットリストはたぶんこんな感じ。間に約10分の休憩を挟んだ二部構成。

  1. (第一部)怒涛の恋愛
  • ある晴れた日
  • 極東慰安唱歌
  • クレオパトラ
  • 蛹化の女
  • おしまい町駅ホーム
  • 12階の一番奥
  • 家畜海峡
  • All tomorrow's parties
  • 肉屋のように
  • Joe le Taxi
  • (第二部)吹けば飛ぶよな男だが
  • 眼球綺譚
  • 神聖ムウ帝国亡国家
  • ミステリー
  • 森と森の間
  • さよならをおしえて
  • 恋のコリーダ
  • フリートーキング
  • (enc)パンク蛹化の女


開場15分くらい前に会場に着くと、リハが少し漏れ聞こえる。しばらくして、外に整列をしていたところに、純ちゃんが裏口を通りかかって行きました。開場開演とも15分押しくらいだったかな?後で純ちゃん曰く「本当に生まれ変わったんです。今日はお客さんの入り待ちくらい余裕だったんだから」とのこと。素晴らしい。

最初は福原さんと二人で。ピアノアレンジの怒涛の恋愛が新鮮。そしてさらに、純ちゃんの声が、びっくりするくらい良く出ていて。腰を痛めて以来、痛みがあったり無理をしないようにかばったりで、歌っても発声は抑えめに聞こえることが多かったのだけど、今日は違った。力強かった。無理をしないようにか、あまり高音は出さず、ある晴れた日にも一部オクターブ下げて歌ったりしてたけど。医者にはまだ大きな声で歌うのは本当は良くなくてファルセットは禁止されているとのことで、最初のMCで「今日は全部地声です。ファルセットのない戸川純なんて、スジャータのないコーヒーみたいな…」(笑)「そんなの戸川純じゃない!という人とは今日でお別れになるかもしれませんが、これも新境地としてみてもらえれば」みたいなことを言っていました。なので「ゴルゴダとは比べないでください、あれはファルセットだったので」とか。ゴルゴダ見れてないんだよ〜(涙)それで、二人名義だけど二人でやるのはあと1曲です、と言ってクレオパトラへ。初めて聴いたけど、ゴルゴダの曲かな?カッコ良かった。そしてここでも純ちゃんの声の迫力に圧倒されてました。
けど、実は二人でやる曲がもう一曲あって「抜かしてしまいました」ということで、もう一曲、蛹化の女。なるほどこれはピアノで聴きたいですね。途中で純ちゃんがちょっと音程を外したかなんかあって、あとで「30年やっていて初めて蛹化の女を間違えた。皆さん、それくらいすごいことに立ち会ったんだ、ということで…」と言っていました。それはそれで確かにレア。「まりちゃんのピアノがすごく良くて聴いちゃう。聴いちゃってて間違えた」とも。私もピアノ聴き入りました。素敵だった。
それから、ベース中原さんとドラムス矢壁さんが加わりバンド形態へ。そして「この曲はライブで3回しかやってない…そのやっていたバンドももうなくなってしまいました」と言って始まったのが、おしまい町駅ホーム!うわ久しぶり!ていうか聴けると思ってなかったー!バンドの編成も違うしアレンジ違いましたが、これはかなり良かったです。矢壁さんの力強いドラムスが響いてたなぁ。
曲が終って、なぜかいったんステージがら去る純ちゃん。中原さんも「え、なに?」という顔。戻ってきていわく「汗をかいたのでタオルを持ってきてもらおうと思って、私のハンドバッグにこういうタオルが入っているから持ってきてと言ってたんだけど、どうも何もしゃべらない人だと思ったら、人じゃなくて機械だった!」という話(笑)「そんなおまぬけなところがあるんだけど…今のは全部忘れて、シックな曲へ」で12階の一番奥。これもピアノがすごくきれいで、こんなん弾けたらいいな〜と思ってしまいました。
ところで本日の純ちゃんのファッションは、オールピンクでフリルでお花。薄ピンクのノースリーブワンピース(三段フリル)の上に、濃いピンクのジャケット風、袖がフレアになってひらひらな上着、ピンクの帽子。帽子とジャケットの襟にはたくさんのコサージュ、ワンピースのスカート前面には白い蝶とトンボのブローチみたいのがたくさんついてて、これがかわいかったー。「ロリータでマダムな感じ」という注文で、ヤプーズなどでもなじみの方に作ってもらったそう。
というその恰好で「全然似合わない曲をやります。相反するものの融合、が昔からテーマですから」ということで家畜海峡。相反していますね(笑)。でも見事に融合していました。そしてその後そのまま、ちょっとインプロ風味で入ったAll Tomorrow's Partiesも良かった。ピアノがまた素敵で。この辺の流れはゾクゾクきました。
そして、「肉屋のようにTシャツ*1できました」のMCを挟み、肉屋のようにを演奏!うっわあ、いつ以来よ?だいたいヤプーズ以外で聴くのって初めてかも?迫力のピアノ、カッコいいですよ!そしてイントロで高笑いから入る純ちゃん。怖い!マジ怖い!と思った。久し振りに聞く本物の肉屋。ゾクゾク通り越して逃げ出したくなるくらいだった(もちろん褒めてる)。
というその後、一部の最後はJoe le Taxi。純ちゃんちょっとモードチェンジに手間取ってたけど、無理やりに切り替えて。ちょっと踊りながらの感じで、かわいかったです。
約10分の休憩。休憩前に「約10分といったら昔は笑いが起こったんだけど…」といって「生まれ変わった」話をしていて、「約10分といったら本当に10分です」と言っていたけど、ちょっと押したらしい。気になるほどではなかったけど。衣装替えはなし。
第二部はしっとりと、吹けば飛ぶよなと眼球綺譚から。その後、純ちゃんが次の曲名を言おうとしながらちょっと笑ってると思ったら、なんと神聖ムウ帝国!まさかこれを生で聴けるとは!(笑)福原さんがキーボードを弾き、雰囲気はしっかり出てた。純ちゃんは伸ばすところの拍を指折り数えながら歌っていたのが印象的。面白かったわー。
その次の2曲は福原さんの作詞作曲。以前、純ちゃんが福原さんのバンドにゲストで出て歌った中で特に好きだった曲だそう。ピアノがかっこよくて、素敵な曲だったなぁ。純ちゃんの歌もとても合っていたと思います。また聴いてみたい。
福原さんのピアノは、基本的にはきちんとしたクラシック的な印象を受けました。それでバンドのアレンジなどもきちんと決めて練習してある風で、それがまたキマっていてとても良かったです。矢壁さんのドラムは本当に力強かったなぁ。中原さんのベースは、あまり目立たないけれど実は本当にしっかりと支えているっていう感じがしました。
後半はMC少なめでトントン進む。純ちゃんが福原さんの曲の解説を求めようとしてるのを中原さんが遮って曲に入る場面も。
それから迫力ある戸川節に戻って、さよならをおしえて。ピアノ低音で弾かれるメロディが良かった。ラスト2曲と言ってからの恋のコリーダ。これも久しぶりですごい迫力。最後は短い曲だからと立って歌うフリートーキング!まるでヤプーズじゃないですか!しかもただ立って歌うんじゃなくてさ、立つとなったらほんとにヤプーズの時みたいに動き回っててさ。もちろんそこまで激しくはないんだけど。ほんとに元気になったんだ、と思うと同時に、大丈夫?と心配になったりも。
アンコールのパンムシも同じく立って、さらに動きがさっきより激しくなって、中原さんにちょっとよっかかりそうになったりしてた。でも最後までしっかり歌ってて、声も出てた。
なんか本当に、純ちゃんが「歌いたい」んだな、と思えて。それがすごく喜ばしく思えた。本当に元気なんだなー、やる気なんだなー。ライブ前にはカラオケで練習などもしたそうですよ。だからって、体は大事にして、無理をしないで回復して、ファルセットも出せるようになってほしいけど。でもまずは元気そうで本当に良かった。
次回は、7月30日に同じくMANDALAで、ソロ名義でやります、と言っていました。この調子でぜひ、頑張ってください!!

*1:http://img10.shop-pro.jp/PA01047/253/etc/from_JunTogawa_comipoo.jpg アンコールの時に中原さんがモデルで着て出てきました。毒カワイイバージョンのほう。それで純ちゃんに全方向のお客さんに見えるようにこっち向いてあっち向いてってやられてた。本当は第二部から着てきてほしかったのだけど嫌がって、アンコールがあったらと渋々着てくれたそうです。照れ屋さん(笑)まぁカワイイデザインだしなぁ。