chocolate melts with music

行ったライブメモ

LIVE FOREVER

盛大な、お別れ会でした。
タワレコの列で友達と「なんかもう墓標みたい」「お通夜の焼香」とか言ってた。物販の列は初詣並みで、「盛大な弔いだね」と言った。でもお葬式という暗さはなく。臨終はNHKで、これは告別式とでも言おうか。誰か卒業式みたいって書いていて、その通りだなと思った。
みんな結構「最高」って書いてて少し言いにくいけど、私はこれがベストアクトだったとは言わない。曲によってはそれもあったけど、今までにもすごいものをたくさん見せてくれた。この曲はあの時ああだったとか、あのときのあれがよかったとか。いろいろあったな。むしろそれらをいろいろ思い出して、今までありがとうって思えた。
ライブの完成度で言ったら、正直NHKのほうが上だったんじゃないかと思う。場所や音響の問題もあるし、好みの問題もあると思うんだけど。NHKのときは、張り詰めてて、悲壮感に満ちてて、決意がみなぎってた。終始ずっと。武道館がそうじゃなかったわけじゃない。けど確実に、悲壮ではなかった。ステージの三人が、精一杯別れを惜しもうとしているように思えた。これまでのすべてをいとおしんで、今この時を、最後まで、いとおしもうと、精一杯楽しもうとしているようにさえ思えた。だからこっちも楽しまなくちゃ、と思ったんだ。
結構普通のライブだったと思う。負け犬の入りで間違えて「負け犬だけに」って言ったとき、確かに客席の緊張はほぐれたね。私も笑っちゃって、少し楽になったような気がする。こんなときに、って思ったけど、でもそれも「らしい」。そこからわりと普通に聴けたのかも。なんだか普通の、いつものシロップのライブ。たくさんやるなあーくらいで、あまり特別な感じがしなくて、ときどき、これが最後なんだって意識して思わなくちゃならなかった。代表曲中心で、新しいやつは本編ではほとんどやらなかったし。途中の行方だけ。これはけっこう古顔のほうだしね。
とは言いながら、最初の「きこえるかい」からかなり涙腺にきてて、「生活」「神のカルマ」でもうにじんでた。一番危なかったのは後半のSonicだった。好きな歌はくる。スイッチは正常できた。と思ったらその次はムカデだった。照明がカッコよかった。そこから、Sonicがきて。キタダさんのベースで始まるこのイントロを、生で、このテンポで(ライブのが速く感じる)聴くのはこれが最後なんだと思って。サポートなしで一人で弾いてるギターを一生懸命聴いた。最初の叫びはなかったけど、あれを聴くことはもうないのかと思って、あの声に何回切り裂かれたんだろうと思った。クーデターの前の即興っぽいのは、でもクーデターだってわかってたから前にも似たようなのがあったかも?何言ってるのかはわからなかったけど、最後はLive foreverって聞こえた。そして、「声が聞こえたら神の声さ」。声と拳が上がる。空をなくすで跳びたいくらいだったけど。ある時期、前奏からオイオイ言ったり、「もっと上たって上なんて何もないけど」でみんな上を指したりしてたよね?最後にモッシュにいたシロップっていつだったかな?カウントダウンフェスか?とかも思った。だんだん終わりが意識されてきて、寂しいんだけど、でもたぶん楽しかった。たぶん笑ってたと思う。
1回目のアンコール待ちは、まだまだこれからという気分だった。さくらで始まったのはちょっと意外だった。照明が桜色できれい。この歌はアルバムで聴きこむうち一番、今の心情そのものに思えて痛かった歌だけど、ライブで聴いたらそんなに苦しくはならなかった。ニセモノもそんなに痛ましくなかった。けど、たぶんこのふたつのどっちかで、ステージ上の五十嵐さんに抱きつきたい、抱きしめてあげたい、みたいな柄にもない思いがよぎった(笑)。でもって、そのあとこの期に及んで新曲をやられたときには一転石でも投げてやろうかと思った(トマトくらいでも許す・笑)。イマジネーションの歌いだしで、「さあ、終わりにしよう」って言われたときが一番刺さったかも。心なしか、歌っている声も震えていたような気がする。CDで聴いてるときはそうでもなかったのに。これが一番痛かった。もっとたくさんやるかと思ったんだけど(というかはじめはもう少し細切れに、アンコールというよりは何部構成みたいな感じになるかと思っていて、第二部でアルバムの曲を、という感じかと思ってた)。
次は何をやるだろう、まだやってないの何だろうって探す。ハピネスやってほしかったんだけど、ここではこないだろうなぁ(入るとしたらソロのコーナーだったよなぁ)と思ったり。出てきて始まったのは、She was beautifulだった。これもいろんなのがあったなぁと思い出しながら聴いた。落堕。寝不足だって言ってんのーって叫びたかった気もする。けど、そんな雰囲気じゃなかったかな。真空は跳んだ。「ロックンロォォール!!」もこれが最後だと思ったら、応えずにはいられなかった。ここはさすがに揺れてる人多かったよね。
最後はRebornだろうなと思っていて、きてほしくなかった。体力的にかなり疲れてきてたんだけど、それでもこのままずっと続いてほしいと思ってた。けど、3回目に出てきて、MCが始まったら、もうそれしかない流れだった。翌日とReborn。だけどそんなにしんみりしないで聴けて、結局泣かなかった。Rebornの最後に客電がついて明るくなって、みんながわぁってなったのは、いい瞬間だったな。一階の奥は微妙に陰だったけど…光の中にいたかったなぁ。でもみんなひとつになったみたいで、素敵だった。それで、終わったんだなあって、思った。

私はちゃんとお別れが言えたのかな。
12月よりはずいぶん個人的に浮き上がってきてたから(2月のエントリの多さが物語っている)大丈夫だっていうのもあるとは思うけど、でも今日があって本当によかった。12月の思いつめた臨終で終わらなくて本当によかったと思う。そう感じた人は、私のほかにもたくさんいたみたいだから。ありがとうって、叫びはしなかったけど、ちゃんと思えてた。出会えて良かった。好きで良かった。今までたくさん見てきて良かった。心から。
もう見れないと思えば寂しいし、今これをたくさん書いてたら悲しい気持ちが増えてきそうだったけど、でも終わったときはわりと明るく、終わってしまったね、とだけ思えていたことを、ちゃんととどめておきたいと思う。