chocolate melts with music

行ったライブメモ

後攻。
客電落ちたらステージも暗くて3筋の光だけ。そうだ、シロップのステージは暗いんだった、とか思ってしまうくらい久しぶり。マキさんと中畑さんが出てきて、もういきなり叩き出したので、テンションと期待が高まる。五十嵐さんはいつもの黒シャツで出てきた。
そして、例によって全新曲。たぶんみんな初めて聴く曲、5月にも聴いてないやつ…だと思う。こんだけ知らない曲ばっかでも、ちゃんと聴けて、やっぱり好きだ、とか思えるのもシロップならではなんじゃないかと思ったりしました。前の曲も聴きたかったんだけどな、とかはありますけどね、まぁ。「俺は狂っちまったけど」とか。
けっこういろんなタイプの曲があったけど、聞き取りやすいバラードを中心に、失恋の歌というか、君と別れても一人で生きていくよ、という歌がとても多かった気がします。あーそうなんだー、とかも思ったり。たぶんそれで「こんな垂れ流しの、即興音楽会みたいなことやってます。こんなことばっかりやってると人来なくなっちゃうんだけど」みたいなことを言ってたんだと。なんというか、何も持ったことのない人の歌から、一度持ったものを失ってしまった人の歌になったんだなぁ、なんて考えた。後者のほうが世間一般に多いと思うので、ある意味普通になったとも言えるんだけど、悲しみを抱えてどこか達観しているような風があるのは「らしい」と思うし、昔より穏やかで余裕があるように見えるのは、それはそれで良いことだと思うです。
アンコールのリアル、最初に書いたとおりで、盛り上がってすごい良かったのはもちろんなんですけど、楽しかった、というのが、ちょっと新しい感覚だったかもと思います。今までのシロップのライブでもいいリアルはたくさんあったけど、それはもっと真剣で切羽詰って、歌詞と一緒になって差し迫ってくるものがあって、それが良かったというのがあって。でも今日のは、歌がそこまで響いてはこなかった。五十嵐さんは相変わらず苦しそうに搾り出して歌ってるんだけど、それでもたぶん楽しんでいるところがあったんだと思うし、ボラのメンバーが入って新しいフレーズが加わったりすれば、音楽の楽しみが前面に出てくる。こんなにステージが楽しいと思えるリアルは初めてだったんじゃないか、と。それはもちろんボラとのセッションだからだろうし、でもきっとシロップの変化でも、私の変化でもあるんだろうな。とか。
その辺の距離感は、5月に思ったこととあまり変わらないかもしれない。けど、今回久しぶりに見に行ったら、やっぱり私シロップを愛してるわ(笑)とか思えたので、良かった。


客席「早くCD出して!」の声に、「それは…せーの、“俺に言うなよ!”」って。決まり文句なんですか。出してよー。