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行ったライブメモ

単独公演「白兵戦」

女王蜂 @ SHIBUYA-AX2013.02.23 邦楽ライブレポート|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)
活動休止前最終公演。ドレスコードは白。
レポートはプロのが詳しくあるのでそちらを参照するとして、個人的な感想だけ。
曲順、演奏、アレンジから、ステージングや演劇的な要素を含め、すごく作り込まれたステージだった。ちょっと演出過多に感じるくらいに。
曲順やそのつなぎのアレンジなどはすごく良かった、演奏も。前半はとにかく踊れる上げる曲ばかりでこれでもかと攻め立てる。後半はグッと迫ってくるバラードが続く。燃える海がなかったことだけが残念。
告げ口のとき、アヴちゃんの高音がちょっと掠れてるというか、ちょっときつそうに聞こえた。けどそれがあの歌の世界により一層凄味とリアリティを与えていたように思う。その後のバラードでは高音まできれいに出ていたから、あれも一種の演技だったんだろうか。
アヴちゃんのMCは、MCというよりは台詞のような、曲の前に寸劇のような一人芝居みたいなものだった。衣装換えから戻ってきて、ステージ中央に座って一言「…遅い」から始まった待つ女、「戦闘を開始します」から始まったΨ、あたりは良かったと思う。ただ、バブルのちょっと説明的な台詞とか、無題の前のすすり泣きには、何か違和感も感じた。表現としては分かるんだけども。演劇的過ぎるっていうかなぁ。
幕が下りた向こうでアウトロが続き、終演して再び開くとマネキンが、というあの幕切れも、あまり腑に落ちなかったのよね。
直接お客さんに語りかけるような言葉がなかったこと。それと、前にAXでやったときにあった花道的なせり出しとかなかったし、客席に入ってくるようなものもなくて。なんていうか、客席とステージは隔てられてた感じがして少しさびしく感じてしまった。アヴちゃんの言葉を聞きたかったなぁと思ってしまう。いろいろありすぎて話せないのかな…
たぶんそういうふうに用意された終幕だったのかなとは思う。また再始動があることを約束しているからこそ、敢えて語らないのだとも思えるし。未完成ながら、今後の方向性を示すものでもあったのかもしれないし。羽化を控えた蛹になる、そういう活動停止なんだということかと。
ライブ演奏としての完成度はあったと思うけど、演劇的とかインスタレーション的なものとして見るなら、まだ洗練の余地があると、正直思った。その完成形を見てみたい気もする。だけど、それを見たときに自分がどう受け止めるのかは、想像つかないなぁ…