chocolate melts with music

行ったライブメモ

3月の孔雀婦人ツアーの追加公演ではありますが、新譜も出たばかりの女王蜂さんです。と言いながらまだ聴けてないんですけど。
その名の通り、ドレスコード:仮面を着用のこと、「是非仮面を着用されてのご参加をお待ちしております」とのことでしたが、すみません、して行けなかったよ…買う勇気がなかったよ…。しかし会場に着いてみると、まずスタッフさんがスーツ姿に仮面を着用している。妖しい…だからか名札も下げてらっしゃいましたが。そして客席にもいろんな仮面が。ベネチア舞踏会風から、デコったおかめさん、ファントム、トーマスなどのお面、かぶりもの系まで、いろいろ。服装も合わせて凝っている人が多くて。女王蜂のライブ会場行くと、おしゃれしたくなる、というかしなきゃなーと思うというか。自分はわりと動きやすさとか汗対策とかを重視してしまうのですけど、ちゃんと決めた格好で行くのもやってみたいなぁ、と思わされるのよね。なかなかハードル高いんだけども。
AXのステージ、真ん中辺りには客席フロアに伸びる花道が設置され。ライブ中はよく見えなかったけど、終わってから見たら花道もステージ上もキンキラに飾られてたんですね。開演前のBGMは80年代歌謡曲?異邦人とか、ピンクレディとかもかかってた。若いバンドなのにこれが似合うんだなまた。仮面の着飾ったお客さんたちとともに独特の雰囲気。
ライブは鬼百合からのスタート。新旧織り交ぜながらのセットリストでした。最初の方でアヴちゃんが「みんな仮面をつけてきてくれて、素敵。AXはなんて殺風景なハコだろうと思っていたけど、こうやってみると今日はすごく素敵」というようなことを言っていたのが面白かったです。
直前にギターのギギちゃんの「降板」が発表*1され、どうなるのかと思っていましたが、サポートのギターとキーボードが加わった5人体制になっていました。音的には、まぁ轟音には変わりなかったし、キーボードが加わったことで彩りが増して、広いステージにも映える音になっているかなと思いました。そんなに何度もライブ見てるわけじゃないし分からないけど…、ギターは少し荒さが減ったのかなぁ?荒さは悪い意味じゃなく女王蜂の特徴と思っていたので、ちょっと削がれて、でも全体に洗練もされたような印象かなぁ。ま、言うほど分かる人間じゃないので。ルリちゃんのドラムは相変わらずものすごい力強さだったし、今回はやしちゃんのベースもものすごいブイブイいってるなーと思ったりしました。
サポートの二人はどちらも緑っぽい髪で、似たような黒っぽい格好。たぶん二人とも女子。紹介はなく、今後どんどん増殖していくという話。何人増えてもみんなギギちゃんなんだとか。後で「エヴァンゲリオン綾波レイっていっぱいおるんやろ?そんな感じ。ごめん、エヴァよう知らんねんけど」とか言ってた(笑)。
アヴちゃん、中盤に珍しく長めのMCで、今回の脱退の件について、時々涙ぐみながら話していました。前のツアーの終わりからギギちゃんの利き腕が不調となりギターが弾けない状態になってしまった、なんとか治療ができないか、ギターが弾けなくてもバンドに残ることはできないかと模索して、ギリギリまで発表できなかったと。今日みんな来てくれないんじゃないかと思った、と涙ぐんだところではお客さんから温かい声援。「新譜などでいろいろ取材も受けて、その中でもこのことは話せなくて、嘘はつかないようにしたけど、今後出てくるものの中で「4人で女王蜂」ということが出てきても、それは今も本当にそう思っているから。」「もしツアーをやっていなかったら、治るまでいったんバンドも休むということにしていたかもしれない、けど、ツアーで全国を回って、女王蜂に支えられた、救われたと言ってくれる子たちに会えていたから、ここで止まるわけにはいかなかった。」というような話をしていました。アヴちゃんの言葉はいつも真摯で、今回も本当に丁寧に思いを伝えてくれていました。そして、「今日は、バラードを歌うと自分のために歌うことになってしまう、本当はエンターテイメントにしなきゃいけないのに、だから一曲だけ、別れの歌を、これだけにします」と、アヴちゃんのアコースティック弾き語りで、燃える海。女王蜂のバラードで一番好きな曲ですが、これがすごく良かったです。大切な仲間への想いを込めた歌。
そんなアヴちゃんを見ていて、こっちも涙ぐみそうだったりしました。告げ口は今回も泣きそうだったけど、それだけじゃなくて、なんかもうアヴちゃんが出てきただけで涙出そうな感じになったときとかあったような。我ながらちょっと不思議なんだけど、それだけ心を打つ物がある、真実を持っているバンドなんだろうな。個人的には歌にすごく共感するとかではないし、年齢的に言ってももうこれで救われるとかいうんじゃないんだけど、でもこれで救われるという子がいるということは、なんというか、とても身近に想像できるというか。最前列で、目の前で歌われたら泣いちゃう子とか、毎回いるんじゃないの、とか想像するのです。実際は後ろから見てるので知らないんだけど。そしてアヴちゃんもそういうのを背負っていこうとしているような、使命感とか感じられます、今年のライブは。
熱い本編が終わって、でもやってない…と思ったデスコから、さらにボルテージを上げていくアンコール。仮面と扇子が舞い踊る熱狂のフロア。ダブルアンコールに火の鳥でシメ。次は東京、新木場COASTでワンマンだとか。大きなミラーボールの下で、きっとアゲハにも負けないですね。すごいなー。第二幕へと進む女王蜂、今後の展開も楽しみです。
セットリストはid:e712s:20120601さんを参照させていただきました。