chocolate melts with music

行ったライブメモ

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」 @東京国際フォーラム

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2012公式サイト
話には聞きながら行く機会のなかった「熱狂の日」。今年のテーマはサクル・リュス=ロシアの祭典。
なんと渋さ知らズが出演と聞いてチェックしてみました。渋さが非常に気になるために行こうと決め、そしたらせっかくだから真っ当なクラシック(笑)も聞きたいじゃないかと思いまして。ただ直前になってから探したのでもう売り切れの公演も多くて。で、選んだのがこちら。

読売日本交響楽団
指揮 下野竜也

  1. モソロフ:交響的エピソード「鉄工場」 op.19
  2. ストラヴィンスキー春の祭典


炸裂するリズム、吠えるオーケストラ!
音楽史に残る衝撃的な名作を体験すべし
※3歳以上入場可

たまたまラジオで今年のラ・フォル・ジュルネの紹介をしていたときにかかったのが「鉄工場」だったのを聴いたのですね。解説として、20世紀ソ連で近代文明を讃えるものとして作曲されたとか、後半には打楽器として鉄板を叩くところがある、と聞き、面白そうだなぁと思いまして。ストラヴィンスキーのほうはなじみのある有名曲ですし。
生オーケストラはかなーり久しぶり。今回は編成も大きく、見応えがありました。人数多かったり、ブラスや打楽器が多かったりの、派手な方が好きです。特に打楽器は遠くからでも見ていて楽しい。楽曲も、情景や物語のイメージが浮かびやすいものが好きです。要するにわかりやすくて派手なのが好きという、クラシックに関してはその程度です(笑)。だからまぁ、いわゆるロシアの作曲家として有名なところは好きなのが多いですよね。
鉄工場は短い曲ながら、そういう意味でわかりやすくて派手で楽しかったですね。タイトルからしゲルニカっぽいとか思いましたがそれは逆で、ゲルニカがこちらを志向しているんですよね。アヴァンギャルドってこういうことか、と思いました。後半には台につるされた薄い鉄板が、4本くらいのばちでダーンダーンと打ち鳴らされ、やかましくて素敵でした。真っ赤な鉄がどろどろと流れていくとか、それが規則正しく打たれて整形されていくとか、そういう情景が見えるようでした。
春の祭典の方は、知ってる曲と思ってましたけど、いざ始まってみたらそういえば最初のほうしか覚えてなかった、みたいな。まぁメロディよりリズムで出来てるような曲、と次の日に聴いたラジオでも解説されてましたから、覚えられないよね(違)。弦楽器が全体でリズムを刻み出すところ、最初はもっと迫力が欲しいと思わなくもなかったのだけど、後半には迫ってくる感じが強くなって良かったように思います。素人のくせにあれですが。ファゴットがとても美しかった。あとホルンを初めとする金管も良かったし、ティンパニ2台の迫力も良かった。
何にしても、100人規模の大オーケストラが一体になって音楽を紡ぎ出すということそれ自体の凄さを体感しました。なんか、電気的に音を大きくする以前における爆音って、物量作戦だよね、とか思ったり。人が集まって一つの音を出すということ自体の気迫というのもあるなぁと。
大ホールでステージ脇に画面もあり、下野さんの指揮もよく見えました。指揮について何が分かるわけでもないですが、なんとなくこう、すごくグッと引き締めて率いていくみたいな感じの印象を受けました。でも、終わった後は退場の時に客席にちょっと手を振ったりしてチャーミングなところも見せてくれました。楽しかった。