chocolate melts with music

行ったライブメモ

クラムボン+太田好治 トークショー

フォーレの公演が終わったのが17時前、吉祥寺へ移動。クラムボンの郁子ちゃんがやっているお店、多目的スペース「キチム」へ。
ようこそ、キチムへ
太田好治×クラムボン スライド展「A DAY / 110930_111103」
写真家の太田好治さんがクラムボンの去年のドコガイイデスカツアー博多百年蔵公演と、両国国技館公演を撮った写真のスライド展が開催されます。これに合わせたトークイベントに、なんと友人が当選!ご招待いただきました、ありがとうございます!

地下のお店はわりと広くて、ナチュラル系カフェの雰囲気。奥のキッチンがかわいかった。青い床や白い壁のペンキは郁子ちゃんがスタッフさんと塗っているとのこと!いろいろ手作りです。
トークショーは、前半が百年蔵公演のスライド、休憩を挟んで国技館のスライドをスクリーンに上映。見ながらクラムボンの三人と写真家の太田さんとで自由にトークをする感じ。クラムボンとのなれそめは、toeを通じて知り合ったとのこと。クラムボンは仕事で撮っていることは実はまだそんなに多くなくて、でも小渕沢のクラムボンのスタジオに太田さんが自然にいたりするそうです。
百年蔵の方はモノクロ。仕事として依頼を受けたわけではなく、太田さんが遊びに行ってプライベートで撮ったからと。900枚くらい、一枚も削らず全部時系列でそのまま並べたスライド。一枚一枚の時間は短いけど、繋がっていくそれが映画的でもあり、でも一枚一枚よく切り取られていて。百年蔵の外観、中の様子、楽屋、リハーサル、客入り、演奏、お客さん、アンコール、撤収、打ち上げまで。あ、百年蔵の2日目なのでセッティング風景はなしとのことでした。太田さんは気づかれないうちに撮ってる、ステージの写真でも撮られていることが全く気にならない、という話で、写真家としてそれはすごいこと、すごくいいことなんだけど、自分の存在感がなくなっていくっていうのはちょっとっていう感じもするよね?みたいな話をしていたのが印象的。ほんとに被写体との距離が近くて、撮っている人の存在が消えている感じ、自然でいい表情、カットばかり。バイタルサインのときのミトさんが荒ぶるところの激写、すごかった。歯で弾いてるのとか。それを「バイタル中」とかって言うのがまた面白かった。
休憩中には新譜の音が少しかかり。2曲目、演奏が始まってすぐのところで停電!っていうハプニングまで収められているのとか、そこで聴いてて楽しかったな。
第二部、両国国技館のほうはカラー。会場も大きいし、物理的に近くまで寄れないので望遠になり、写真の感じもだいぶ変わってくる。枚数もこちらの方が圧倒的に多いので(3000枚から)厳選されていたり。会場設営、四方から見守る優勝力士額、衣装合わせ(合わせながら完成させていったそうです)、リハーサル、並ぶお客さん、枡席、開演前に前座的な会場暖めをしていた彦いちさん、そしてステージ本番、演奏、照明、お客さんの白、アンコール、掲げられる座布団、終演後アナウンスをする大ちゃん、その後ろでポーズをとる郁子ちゃんとミトさん、で終わりだったかな(その一枚がすごく楽しそうで良かった)。たしかにこっちの方が展開が速かったり、望遠だからピントがそこまでクリアではないね、という話もあったり。でもバイタルでやっぱり大暴れして楽器を壊さんばかりのミトさんはたくさん激写されてました。
クラムボンのライブは手作り感があって、文化祭のような雰囲気が好きという話。去年のツアーではセッティングから自分たちでやっていったわけで。会場選びの話もあったかな。国技館では規模が大きいのでもちろんたくさんのスタッフさんなどの手を借りてはいるけれども、でも自分たちで作っていく雰囲気は大事にしているというような。スライドからもそれはとても良く伝わってきます。専門学校時代と同じようなこと(裏方だったり、郁子ちゃんのセットリストなどの手書きだったり)をやっていると。デビュー後、一時期は全部お任せになっていったけれど、そういう時期にもいろいろ学んだし、だからこそまた戻ってこれた、というような話。自分たちが何を大事にしているかというところの話を聞けて良かったな。
あと、ライブ盤でもミスなどは直していない、という話。修正するのも作品として完成させるためにはありなんだけど(他のアーティストさんなどでは)、自分たちの場合は、誰かがミスしてもそこからどうカバーするか、立て直すか、というところで一段と力が出たり、かえって良くなったりすることが多いとか。リハーサルでは完璧だったりもするけど、本番はまた別で、自分たちがミュージシャンとしてお客さんに何か与えるというより、ステージ上では自分たちがより大きくなれる、みたいなことをミトさんが語っていました。クラムボンのライブって、特に国技館のときなんかはすごく感じたんだけど、お客さんもみんな一体になって一緒になって、ステージを、音楽を、作り上げている、という感覚があるように思えて。変な話、たしかに観客として私たちも、ステージの三人に何かパワーを与えていて、それでもっと大きなすごいものが生み出されていく、っていうのが、言われてみると分かるような気がするんですよね。きっと他のライブでもそういう部分はあるんだろうけど、クラムボンではその比重がすごく大きいというか。ミュージシャンも観客も、会場、建物も、全部ひっくるめたその「場」のパワー(そしてそれはその場限り、そのとき限りのもの)を大事にして、それをライブ盤やDVDなどの作品にも入れ込んでいきたい、ということなのかな。
最後に、この翌日発売(既にフラゲ可能でしたが)の『3peace2』の先行販売とサイン会となりました。私は三人揃ってるのがいいなーと思って、ジャケ裏に一緒にしてもらいました。太田さんのサインも、写真集のブックレットにいただきました。それと、トーク会場で配られた国技館仕様の「苦楽無凡」座布団も、お土産に。二枚目ゲット!いや、ほんとに貴重な時間でした。お誘いいただいて重ね重ね感謝でございます。

3peace2

3peace2

ついでに、後日このCDを聞いた感想もちょっと。素晴らしいよ。晴れた日曜日の暮れゆく空を見ながらクラムボンのライブ盤なんてもう最高よ。去年のツアー行きたかったなって思うけど、でもCDでも会場にいるみたいな臨場感がある。特に1枚目は、会場ごとの違いをわかりやすく出してくれてるので面白い。いわゆるライブハウスじゃないところばかり。沖縄の会場なんて鍾乳洞なんだって!行ってみたかった…そうそう行けないけど…。そういえばクラムボンをライブハウスで見たという記憶、少ないものね。だいたい野音とか、青山円形劇場とか、よみうりランドとか…。
ミトさんによる解説ツイートも順番に読みながら聴きました。まとめも作られているので、是非ご一読どうぞ。
クラムボン ミト「3peace2」音源解説20120322_23 - Togetter